背高泡立草(セイタカアワダチソウ)
英語ではゴールデンロットと呼ばれていますが、これは金のムチという意味です。
背高泡立草(セイタカアワダチソウ)は背が高くなり、黄色の花を咲かせることからそう呼ばれていますが、本当にムチをふるうがごとく繁殖していく、非常に繁殖力の強い植物です。
北アメリカ原産のいわゆる外来種植物で、明治時代に鑑賞用として日本に持ち込まれてから、爆発的に日本全国に広がりました。
高さは1.5メートルから2メートルにもなる大型の多年草で、開花時期は10月初旬から11月末ぐらいまでです。
一時期は、花粉症の原因とも考えられましたが、これは違うようです。
この植物の特徴の一つとしてあげられるのは、地下茎で増える時に、アレロパシーという他の植物の成長を妨げる物質をだします。
ですので、在来植物をおしのけ大群落をつくります。
良く知られているのが、この背高泡立草(セイタカアワダチソウ)がススキと競合することです。
河原や空き地などススキが好む場所は、背高泡立草(セイタカアワダチソウ)が好む場所でもあります。
人間の目や耳にはなかなか届きませんが、植物同士の仁義無き戦いが繰り広げられているのです。
そして、その戦いを制してしまいそうなのが背高泡立草なのですが、近年変化が見られるようになりました。
それは、アレロパシーの攻撃でススキや土地に繁殖していた植物を駆逐し、圧勝をとげたかに見えた背高泡立草が、何と自らのアレロパシーによって自分の成長が妨げられるのです。
場所に寄っては、背の高くない背高泡立草が増え、勢力の衰えた群落にはなんと在来種のススキ等の勢いが盛り返しています。
強すぎたために滅んで行く姿は、何とも秋の風情にマッチして感傷的な気持ちにさせます。
一度、この仁義無き戦いを観察してみてはいかがでしょうか。