土葬
いまさらな話ですが、土葬ってどんなものかご存じですか?
日本では昭和のはじめくらいまでは、土葬で埋葬することが一般的でした。
しかし2009年に総務省がまとめた日本の火葬の率は99.93%だそうで、世界でも最高の水準に達しているそうです。
若い人には、土葬がどんなものかもよく分らないというのが本当のところではないでしょうか。
昭和のはじめまで日本で行われていた土葬は、タル型の棺桶ごと遺体を土に埋めました。
埋めた後は、その上に土を山盛りにして土饅頭というものをつくりました。
山盛りにする意味は、棺桶が腐ってつぶれると穴があいて遺体が見えてしまうので、あらかじめ土を盛っておき、棺桶がつぶれた後でも平になるようにしました。
よく土饅頭がつぶれると成仏した等と言ったそうです。
遺体が土に還るのには何か月かかかりました。
数か月で完全に骨になり、日本の土壌が酸性なことから、骨も数十年すると土に還るそうです。
ただし例外もあって、水分を多く含む土の場合は、遺体が腐らずにミイラ化することもあったそうです。
昔は土葬が主流だった理由の一つに、火葬するためには燃料が必要だったことがあげられます。
骨が残る程度に焼き上げるには、800度を著時間維持する必要があります。
マキや石炭、石油を準備するのは大変なことでしたので、土葬が都合のよい埋葬方法だったのです。
土葬は朽ち果てるまで自然にまかせるという、差し詰め現代でいえばエコな埋葬方法だったのです。