新盆(初盆)の定義

新盆については、これまでも何度か本ブログ上にて書いてまいりましたが、あらためて記してみようと思います。

人が亡くなった後、初めて迎えるお盆のことを、「新盆(にいぼん)」や「初盆(はつぼん)」と言います。

お盆の期間については、関東圏では新暦の7月13日~16日、沖縄では旧暦の7月(2018年の場合は、8月23日~26日)、その他の地方では8月13日から16日を差します。

では、例えば7月1日に亡くなった人は、いずれかの盆を「新盆」にできるのでしょうか。

答えは、否です。

なぜならば、人は亡くなってから四十九日間は、まだ仏様にはならず、仏さまの門前で、7日ごとに初七日、二七日、三七日、(四七日はお休み)、五七日、六七日、七七日=四十九日として、願を積み修行をしていく期間なのです~これは、私たち残された者も同様です。

つまり、仏様でもないし、生きている人間でもない期間なのです。

関東圏の新盆に上がるためには、逆算して5月23日前に亡くなった人、8月のお盆に上がるためには、6月24日までに亡くなった人でなければならないのです。

しかし、多くの人が、6月下旬に亡くなっているにも関わらず、7月のお盆でも8月のお盆でも、「うちで新盆迎えるんです」と、昨今は平気でお話になります。

これは、仏教を少しだけかじっている者からして、聞いていてとても恥ずかしい言葉です。

お寺さんがまず言うことはありませんが、お盆製品を売りたがっている「よろしくない」葬儀業者が知恵をつける場合もありますから、毅然と断るべきです。

5月24日以降に亡くなった方、6月25日以降に亡くなった方は、その年の盆棚にあがることはできません。

翌年まで待つことになります。

それがしきたりであり、教えなのです。

また、8月16日から20日にかけて全国各地で行われる、灯篭流しや精霊流しもまた、この日程に当てるものであり、まだ仏様でない故人を流してどうする!というご家庭を見ることも、やはり多くあります。

核家族が増え、家から仏壇がなくなり、宗教色のある行事を極端に嫌ったり、しきたりを教える老人とのふれあいの少なくなった現代では、この仏教の慣習を、なにかのイベントとしてとらえる傾向があります。

それは、仏様を冒涜し、また、死者=個人を敬うことのない行為なので、本当に避けてもらうことを、願ってやみません。

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